102B36〜38
次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 Aさん(70歳,男性)。1人暮らし。近所に住む友人のBさん(60歳,男性)からAさんについて地域包括支援センターの保健師に相談があった。Aさんは3年間介護していた妻が半年前に亡くなってから痩せ,最近は外であまり見かけなくなったという。翌日,保健師が民生委員に状況確認の連絡をしたところ,Aさんの現在の状況を把握していなかった。保健師はAさんの状況を把握するため,来週Bさんと一緒に家庭訪問を行うことにした。
 
36
 家庭訪問時に収集すべき情報として最も優先度が高いのはどれか。
 
1.既往歴
 
2.毎日の食事内容
 
3.友人との交流状況
 
4.直近の健康診査の結果
 
5.自治会活動への参加状況
 
37
 保健師がBさんとともに家庭訪問したところ,Aさんは訪問に戸惑っていたが,玄関先で話をしてくれた。Aさんの服装に乱れはなかった。室内にはごみ袋がいくつか置いてあり,捨てられていないようであった。Aさんは,少しずつ自分のことを話し始め「妻が亡くなってから楽しいことはなく,外に出かけたくない」と言い,表情は暗かった。Bさんが何か手伝うことがないか尋ねるとAさんは「心配してくれてありがとう。でも今は1人でいたいです」と言った。保健師は3日後に1人で訪問することを伝え,この日は訪問を終了した。
 保健師の次回の訪問計画で適切なのはどれか。
 
1.外出の重要性を説明する。
 
2.ごみを片付けるよう促す。
 
3.精神科への受診を勧める。
 
4.妻との別れを一緒に振り返る。
 
5.ホームヘルプサービスの利用を勧める。
 
38
 保健師は2週に1回の家庭訪問を続け,Aさんとの信頼関係が構築されてきた。Aさんは家の中を少しずつ整理し,散歩にも出かけるようになった。保健師の初回訪問から3か月後,Aさんから「亡くなった妻のためにも,自分が少しでも長生きしなければと思うようになったが,何をしたらよいのか分からない。少しずつ外に出てみようと思うが,人付き合いにはあまり自信がない」と相談があった。
 Aさんに勧めることとして最も適切なのはどれか。
 
1.地域包括支援センター主催の介護予防教室への参加
 
2.老人福祉センターでのサークル活動への参加
 
3.高齢者サロンのボランティアヘの登録
 
4.シルバー人材センターの登録

36
×1

○2
痩せてきたという情報から,既往歴を聴取して,再発や悪化の有無を確認する必要があるが,それに先立ってまず食事内容を確認しなければならない。
痩せてきたという情報から,まず食事内容を確認しなければならない。
 
×3
外であまり見かけなくなったとの情報から,友人との交流状況も確認する必要はあるが,これらの選択肢のなかでは,まず身体の状況に直結する食事内容を確認しなければならない。
 
×4
痩せてきたという情報から,身体の状況の確認が必要であるが,これらの選択肢のなかでは,まず身体の状況に直結する食事内容を確認しなければならない。
 
×5
外であまり見かけなくなったとの情報から,自治会活動への参加状況も確認する必要はあるが,これらの選択肢のなかでは,まず身体の状況に直結する食事内容を確認しなければならない。

37
×1

×2
×3
外出の重要性は本人も理解していないわけではなさそうであるが,「出かけたくない」という発言から,外出について強く勧める段階ではない。
ごみを片付ける気にもなれないようで,勧めても実行はされないであろう。
現段階では,精神的には病的な状況ではなく,精神科受診までの必要はないと考えられる。
 
○4
まずは妻との離別を受け入れるようにすることから始めるべきである。
 
×5
この状態では,要介護認定では自立と判定され,介護保険のサービスは受けられないであろう。そのほかの公的制度も,利用できる条件には合わないと考えられる。

38
○1


×2
この状況を放置すると,やがて要介護状態に陥るおそれは大きいため,予防措置が必要である。また,現段階では,とにかく外出のきっかけを作ることが重要である。介護予防教室は,これら2つの意味を持っている。
サークル活動では,特定の1つの活動をすることになる。現段階で特定の活動をするまでの意志はないようである。
 
×3
登録だけでは直ちに活動に結びつくとは限らない。また,単に「ボランティア」だけでは,具体的な活動内容も明確でない。
 
×4
登録だけでは直ちに活動に結びつくとは限らない。また,単に「シルバー人材センター」だけでは具体的な活動内容も明確でないうえ,そこに登録されている高齢者は,原則として何らかの技術を用いて作業を行うことになるが,本人の有している技能も不明である。

 36-2,37-4,38-1